物体に設置したBLEビーコンの受信電波強度を用いた状態推定とその応用に関する研究

研究概要図

概要

近年IoTの普及によって様々なセンサが家電に取り付けられ,そこから得られる情報によりライフログデータの取得が可能となった.ライフログデータは,様々なセンサが搭載されている家電では収集が容易であるが,特殊なセンサの無い家電や扉,椅子といった家具などではデータの収集が難しい.これまで,そのような家電や家具などの状態推定にはモーションセンサやWi-Fi電波が用いられてきた.しかし,モーションセンサを用いた手法はセンサ単体での動作が難しく,取得したデータの保存・解析に専用の機器が必要である.また,Wi-Fi電波を用いた手法も状態の推定に電波の反射波を用いるという特徴から,小さな対象物への適用は不向きである.そこで,本研究では汎用的な機器のみで動作でき,かつ小さな対象物でも状態推定が可能な手法を提案する.具体的には,BLEビーコンをモノの中に直接入れ,状態によって変化するビーコンの電波強度をもとに推定を行う.また,将来的に介護施設のモニタリングを可能にするため,本手法を睡眠位置認識および車椅子の移動認識に応用しその評価と考察を行う.

収録
令和2年度卒業論文
大鐘 勇輝
大鐘 勇輝
IT Engineer

私の研究テーマは、IoT、ユビキタスコンピューティング、センサ信号処理です。